あるきっかけで、2000年から日本と東南アジアの往復が始まり、地元の人々の自立を応援することに…。NPOの協力を得ながら、ミャンマー人と生活を共にし、互いの得意技&共通点を発見しつつ、無くさないで欲しい現地の人々の心意気と生活文化、あつ~い東南アジアの様子をつづる手作り記。話題が一国だけで留まなくなってきたためリニューアルしました。

万能タナカ Thanaka

ミャンマーで大好きなものは色々ありますが、私としてはベスト5に入る日用品はこれ、「タナカ」です。これをカワイイという人もいれば、おばけみたいでなんじゃこりゃ、という人もいるでしょう。

こっぱずかしくてンなもん塗れるか!というあなた!!タナカはすごいんですよ。ミャンマー人が顔に塗り始めてから1000年以上の歴史があると言われていますが、色んな効能もあるんですよ。ひんやりして気持ちいいし。旅の恥はかき捨てともいいますし、チャンスがあればぜひとも一度つけてみてください。

日本でつけろとは言いません。(私は愛用してますが。。。)ミャンマーなど暑い国では、ロンジー、サンダルに続いて、これまた必需品ですってば。



この樹木片を硯のような石の上で水を使ってまさに硯で墨汁を作る要領で作りますが、クリーム色のペーストが出来上がります。

それを顔につけるのですが、おそらく皆さんは、ミャンマーに行ったことある方なら、または紹介写真やテレビ等で、こんな子ども達の顔をご覧になったことがあると思うのですが。


← こういうものです。

子どもの頃から女性ならおばあさんまで、男の子はニキビができる年齢ぐらいまでは使っているようです。

まず、つけるとひんやり気持ち良く、なんだか日焼けしない気分になる。ミャンマー人なら、虫刺されやケガ、肌荒れにもつけるし、夜寝るときにもつけます。顔だけじゃなく腕や首の後ろとか、どこでもつけてます。

ただ、服に付くと白くなってしまうのと(水で簡単に落ちます)、べったり塗るとひび割れた塗り壁のようにペリペリっと落ちてきます。

ちなみに、私の部屋やPCの周りにはタナカの粉があちこちに飛んでますので、気を付けないと大変です。ミャンマーに来た日本人に色々試してもらいましたが、見かけが嫌だと言い張る人以外は、つけて後悔した人はいません。肌が弱いとか、アトピーがある人も大丈夫どころか、かゆみが止まって涼しく寝られてよかったわ~と喜んでました。

これまた、ヤンゴンなどの都会では、だんだんつけない若者が増えているんですね。なんでかなぁ~。若者の常ですかね、どこか自分達の文化や習慣を恥ずかしがったり、捨てようとしたり、もったいないなぁ。。


タナカは、学名をHesperethusa crenulataというらしく、2012年タイで行われた薬学研究関係の国際会議で研究発表によると、それまでの研究でも、酸化防止やチロシナーゼ抑制(黒メラニンを抑えるとかで美白効果をうたう化粧品等に含まれている)、抗炎症性や抗菌効果もあることが分かっているということが書かれてあります。今回の研究発表では毒性が現れなかったことや、数々のお肌によいことの証明実験結果述べられているようですが、詳しくは原文が英文なのでご解読くださいませ。

【参考文献】
International Conference on Biological, Biomedical and Pharmaceutical Sciences (ICCEPS'2012) July 28-29, 2012 Pattaya (Thailand)
Effects of Hesperethusa Crenulata’s Bark Extract on Production of Pro-Collagen Type I and Inhibition of MMP-1 in Fibroblasts Irradiated UVB