あるきっかけで、2000年から日本と東南アジアの往復が始まり、地元の人々の自立を応援することに…。NPOの協力を得ながら、ミャンマー人と生活を共にし、互いの得意技&共通点を発見しつつ、無くさないで欲しい現地の人々の心意気と生活文化、あつ~い東南アジアの様子をつづる手作り記。話題が一国だけで留まなくなってきたためリニューアルしました。

日本製一番!・・・が崩れる日…

ミャンマー人は、「日本製品が一番!」と想ってくれている人は少なくなく、その思いは結構根強いものです。日本より一足もふた足も早く、ミャンマー進出をすすめ、ミャンマー市場を独占してきた中国や韓国製品ですが、あまりにもその質の悪さに、安いから仕方ないと思って我慢してきたミャンマー人は少なくありません。なので、日本製がよい、という想いは神話のように語り継がれてきているのですねぇ。

我々の今の印象では、中国製だろうが韓国製だろうが、さほど日本製と変わらない、それどころか、日本製を見つける方が難しく、どこで作られたことなどしったこっちゃない、という感じでしょうか。つまり、そんな悪くない、という印象でしょう。そりゃあ、品質第一のお国柄ですから、作らせるメーカーだって、作る方だって、そこそこ頑張ってそれなりのものを作ってきたのかもしれません。ユーザーもそこそこ満足する。

しかしながら、東南アジアで出回っているそれは、正直そりゃ~大変なものが多いです。その昔、いやそう遠くない昔、日本で「Made in "C"」というと、安くても誰もが避けていた頃の、あのレベルなのですね。ミャンマーでは、それでも他に選択肢がなかったり、背に腹は代えられず、という事情もあり、「そのレベル」は嫌というほど知らされている、といった印象です。

だからなおさら「日本製はいい!」となるわけでしょうなあ。「絶対裏切らないんだ」、と言われると、自分が作ったものじゃあないけれど、顔が赤くなることもあるぐらい。

そういうときは、寸分おかず、「そうね、昔の日本人はすごかったね、我々の先輩方を私も尊敬し感謝してるのよぉ~」と言って、遠回しに、「今はそんなことないのよ、ごめんね」と伝えてます。


今日は、ミャンマー人のW君と、電気屋をゆっくり見学できる時間があり、『Made in Japan』探しをしておりました。今では、「おぉ!あった、これ!日本製~」と、一つ一つ小さな字を眼鏡の下から覗き見して探さなければならない状況。

これはいいぞ!これはミャンマーで役立つかも!というグッズを見つけても、必ずといっていいほど「Made in "C"」なのでした。

W君のために、数年前に買ったソニーのウォークマン。そのころから、ミャンマー人にとっては、「アップル」は別格。それだけは、Made in "C"であろうが、とにかくスペシャルにステータスがある存在です。i-pod を意識しつつも、そこはあえて”Sony~Japan”にこだわり、「同じMade in "C"なら、日本の会社のものがいい」、と言ってくれたW君でした。

そう言われると買ってあげる方も、まんざらではない気分だったので、うまいことのせられたのかも知れないが。。。笑

しかしながら、スピーカーが内臓でないタイプだったため、音チェックでさえもイヤホンでいちいち聞かなければいけない。スピーカーがあったらなー、という場面に何度か出くわしてきていたところに、Sonyの「ウォークマン用ミニスピーカー」なるものをお店で発見。

おぉー、これはいいじゃないか。

W君も欲しそうであったけれど、『買わせたくない、でもあったら便利、いや、そういう事を言い出すといろいろ欲しくなるから良くない!、、、』という、言葉無き問答を繰り返しておりました。

結局、「やはりお願いします」、ということになり購入。2900円ぐらいの購入決定に30分ぐらいかけて決定しました。

戻るとすぐにパッケージを開け、ウキウキ顔で早速取り付けるW君。
なになに?簡単に装着するだけですぐに音楽が聴ける!ほぅ。

あれ?音出ないし。・・・?

何か設定があるのかな??

いろいろ試すもうんともすんとも言わない。もしかしたら、この型(Walkman)は古いから使えないタイプなのかもしれない、とチェックするも、しっかり装備可能な型。うーん。

もがいた挙句、Sonyに電話してチェックしてもらいましたが、「どうやら故障のようですね、、、」と。

「んなもん!故障じゃないでしょーが!不良品よ、不良品!今買ってきたのーーー!」。

「だいたいねぇ、SonyがMade in "C"で物を作ったりするからこんなことになるんだよ!信じられん!」、

と、電話に出たおねぇちゃんにアタリちらして切りました。
(ごめんね、おねぇちゃん、運がわるかったのよ。しっかり上司に愚痴りなさい。)

50年、60年たってもまだ動いている、丈夫で性能がよく、使う人を困らせない「Made in Japan」。そんな日本製品を大事に、こよなく愛し続けてきてくれているミャンマー人のみなさまよ。ごめんなさいね、もうそんなものは存在しないのかもしれません。

ああ、これから次々にミャンマーが開けていくとともに、今の日本製品がどんどんミャンマーに流れていき、次第に「日本製一番!」は、幻と消えていくのでしょうなぁ。

がっかりされるんだろうなぁ。だぁれも、Panasonic がいい、Sonyがいい、とは言わないだろうなぁ。韓流スターも推奨の、サム●ンの方がいいよなぁ。

「昔のあなたはそんなんじゃなかったわ!今のあなたなんてサイテー!」・・・と、恋人に呆れられ、お隣のサム君にとられちゃうような気分でしょうかねぇ。。。